
鉄
身体には約4gの鉄が存在しています。そのうち約70%を「機能鉄」、約30%を「貯蔵鉄」と呼ばれています。機能鉄は、赤血球のヘモグロビン成分(ヘム鉄)として取り込まれ、酸素と結合して全身に酸素を運搬します。貯蔵鉄は肝臓、骨髄、脾臓などに蓄えられ機能鉄の不足時に利用されます。
体内に入った鉄はタンパク質と結合して、血液の主成分である赤血球のヘモグロビンの材料、各種酵素の構成、運動機能、認知機能を支える重要なミネラルです。
鉄が不足すると全身に十分な酵素がいきわたらなくなり、全身の諸器官に支障が起きます。(めまい、頭痛、動悸、倦怠感、免疫機能低下、体温調節機能障害、食欲不振、貧血など)
さらに貯蔵鉄まで使いきってしまうと深刻な鉄欠乏となり心身に様々な不定愁訴が現れます。
成長期から成熟期の女性の半分以上は潜在的鉄欠乏と言われています。特に、成長期、妊娠期、授乳期、月経過多の女性は注意が必要です。健康な男性、閉経後の女性は貧血のリスクは少ないです。
鉄はタンパク質と結合した「ヘム鉄」、無機鉄の「非ヘム鉄」に分かれます。鉄の吸収は非常に低く、ヘム鉄23%、非ヘム鉄5%とされています。非ヘム鉄はビタミンC(アスコルビン酸)やタンパク質と一緒に摂取すると吸収率が高まります!
逆にコーヒー、紅茶、緑茶に含まれるタンニンは、体内で鉄と結合して吸収を阻害するので注意が必要です。
<働き>
・酵素の運搬機能
・エネルギー産生
・成長促進
・造血に関与
・細胞への酵素の取り込みに関与
など
<含有食品>
・豚、鶏、牛、赤身肉、大豆など
<過剰症>
鉄の吸収率は非常に低いため、通常の食生活では過剰の恐れはありません
<欠乏症>
・鉄欠乏貧血
・頭痛、動悸、めまい、立ちくらみ
・疲労感
・アザ、シミ
・食欲不振
・集中力や注意力の低下
・抗うつ感
・神経過敏
など(挙げだしたらキリがありません)
ヨウ素
成人の体内には約13mgのヨウ素が存在しており、その70〜80%は甲状腺に集中しています。
ヨウ素は甲状腺ホルモンを合成する材料としては欠かせません。甲状腺ホルモンは副交感神経を刺激、三大栄養素の代謝を高めて全身の細胞の新陳代謝や発育を促します。
生殖、成長、発達などの生理的プロセスを制御、エネルギー産生、体温調節、脳や心臓や腎臓の活性化に関与しています。
また退治においては脳、末梢組織、骨格などの発育と成長に関与しています。
<働き>
・甲状腺ホルモンの成分
・成長促進
など
<含有食品>
・海藻類、イワシ、カツオ、サバなど
<過剰症>
甲状腺ホルモンの合成を妨げて、甲状腺腫を起こします。
<欠乏症>
・甲状腺機能低下
・成長障害
・死産、流産、胎児の先天異常
亜鉛
鉄の次に体内で多い微量ミネラルが亜鉛です。(約2000〜2300g)
95%以上は細胞内にあって、200種類以上の酵素を構成し、酵素反応を活性化するなど、種々の生理機能に重要な役割をもちます。
亜鉛は細胞の新生を活発にして骨や皮膚の発育、新陳代謝活発化、エネルギー産生、免疫機能向上の働きがあります。
生殖機能とも深く関連しており、精子の形成、女性ホルモンの活発化に不可欠です。
偏食、加工食品を摂りすぎている方は不足しやすいです。摂取ポイントはビタミンAと一緒に摂取すると亜鉛の働きが上がります!
<働き>
・各種酵素の成分となり酵素反応を活性化
・新陳代謝向上
・生殖機能向上
・DNAやタンパク質を合成
・味覚の正常化
・脱毛の予防
など
<含有食品>
・牛肉、豚レバー、牡蠣など
<過剰症>
一度に2g以上摂取すると急性亜鉛中毒を起こすことがあります。
・胃部不快感
・めまい、吐き気
<欠乏症>
・貧血
・味覚障害
・皮膚炎
・精子減退
など
銅
成人の体内には約72mgの銅が存在します。
鉄を材料として赤血球中の色素ヘモグロビンがつくられる時に不可欠な働きをし、タンパク質に銅が結合すると、鉄の運搬機能が高まります。
さらに、多くの酵素の成分となり、骨や血管壁を強化するコラーゲンやエラスチンの生成や、メラニン色素をつくる時に必要な酵素チロナーゼの合成、活性酸素を抑える抗酸化酵素の補酵素としてもに働きます!
<働き>
・ヘモグロビン合成を補助、造血の補助
・鉄の吸収サポート
・抗酸化に関与
・皮膚や毛髪の色を正常に保つ
など
<含有食品>
・牛、豚、鶏レバー、桜エビ、大豆、ナッツなど
<過剰症>
過剰症は特にありません
<欠乏症>
通常の食生活であれば欠乏の心配はありません
・鉄欠乏貧血
・めまい
・毛髪異常
・発育障害
・動脈硬化
・骨粗鬆症
マンガン
成人の体内には約12mgのマンガンが骨、肝臓、膵臓、腎臓など体内の組織や臓器に広く存在します。発育の骨の成長を支え、タンパク質やDNA合成に関わる酵素の補酵素ともなるミネラルです。
さらに、活性酸素を消去するスーパーオキサイドディスムターゼ(SOD)の構成成分でもあり、細胞膜の酸化を防ぐ働きもしています。
<働き>
・骨の形成と強化
・酵素の構成成分となる
・抗酸化作用に関与
・エネルギー産生に関与
<含有食品>
・玄米、生そば、ライ麦、キヌアなど
<過剰症>
食事摂取からの過剰症報告はなく、マンガン鉱山などでの粉塵吸収による過剰症で、中枢神経障害が報告されています。
<欠乏症>
通常の食生活であれば欠乏の心配はありません。
・骨の成長障害、発育不全
・生殖機能障害
・低コレステロール血症
など
セレン
成人の体内には約13mgのセレンがあります。
セレンは発育と生殖に欠かせない存在で、細胞の老化を抑制する働きもあります。老化を抑制する働きを持つグルタチオンペルオキシダーゼの構成成分になります。
さらに、イオウ、ヒ素、カドミウム、水銀などと拮抗作用を示すので、毒素から体内を守る働きもあります。
ビタミンCやEと一緒に摂取することで抗酸化作用が高まり、老化抑制や抗がん作用を備えています。
<働き>
・有毒ミネラルの水銀を無毒化
・甲状腺ホルモンの活性化
・抗酸化作用、抗老化作用、抗感染・抗がん作用に関与
・免疫機能強化
など
<含有食品>
・イワシ、ホタテ、ネギなど
<過剰症>
・爪の変形
・脱毛
・嘔吐
・免疫機能低下
<欠乏症>
・老化促進
・成長、発育障害
・精子機能低下
など
クロム
成人の体内には約2mg存在します。加齢とともに体内の含量が減る唯一のミネラルです。
インスリンと結合して、耐糖因子となり糖尿病を予防したり、コレステロールなどの脂質代謝を高めて動脈硬化や高血圧を抑制する働きを持ちます。
ビタミンCと一緒に摂取すると吸収が良くなります。
<働き>
・インスリン分子の安定化
・インスリン受容体との結合を増強
・グルコースの細胞内への流入を促進
・高血圧予防
・コレステロール値の正常化
など
<含有食品>
・アサリ、ひじき、牛肉、大豆、チョコレートなど
<過剰症>
食事からの摂取で過剰症は起きにくいです。
・嘔吐、下痢
<欠乏症>
通常の食事であれば欠乏の心配はありません
・インスリン感受性低下による耐糖能異常
・末梢神経障害
・脂質代謝異常
など
モリブデン
成人の体内には約9g存在します。
肝臓や膵臓で酵素の働きを助け、古い細胞やエネルギーの老廃物を肝臓で尿酸に造り替えて、肝臓を通して尿として排泄します。
鉄の吸収を助け、鉄欠乏貧血を予防する働きもあります。
<働き>
・プリン体の分解を助け、尿酸の代謝を促す
・鉄欠乏性貧血の予防
・食道癌のリスク低下
など
<含有食品>
・牛、豚レバー、魚類、牛乳、大豆など
<過剰症>
・関節痛
<欠乏症>
通常の食事であれば欠乏の心配はありません
・鉄欠乏貧血
・尿酸代謝障害
コバルト
コバルトは体内に約1.5mg存在します。腸内細菌によってビタミンB12に変換され、体内では主にB12の構成成分として存在します。骨髄での造血機能を助け、悪性貧血の予防に関与します。さらに、生体リズムの調整にも関与します。
<働き>
コバルトは、ビタミンB12の構成成分で、単独での生理作用は報告されていません。
<含有食品>
・赤身肉、乳製品、牡蠣、納豆など
<過剰症>
・不眠、疲労感
<欠乏症>
・悪性貧血
・神経障害
・免疫機能低下
など
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